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東大医学博士による胃腸科肛門科の最新医療ブログ「医師のための内視鏡専門講座」のご協力により提供しています。
                    ららぽーと横浜クリニック

大腸内視鏡の挿入の中で、最もルーチンからブレない箇所・・・それがleft T/Cです。

SFまで到達できたことは、挿入長、手の感覚がフリーであること、管腔内の液体の貯留でわかります。

 

もちろん、そこまでが完璧に短縮直線化できていることが必要条件です。

 

Doctor曰く、

そこからmidT/Cまでは基本的には「左ひねり+プッシュ」で進みます
T/C
では理想的にはルーメンは左下にあることが多いようです。

よって「左ひねり+プッシュ」で軽くおすだけで進みます。

 

単純な症例では、プッシュというよりも左ひねりだけで先進してmid T/Cまで到達できます。

 

そうでもなくとも多くの例では、SFでゆっくり内視鏡をプッシュすると、いったん管腔は遠ざかりますが、10cm強くらいプッシュしたところで前進することができます。

この「10cm強」はS/Cがわずかにたわんだり、SFがわずかに頭側へ押されることによる反発力を得るために必要な長さです。

 

このとき、患者さんに痛みはありませんが、少し圧迫感を感じるのが普通です。
この軽度の圧迫感は大腸内視鏡挿入において不可避ですが、十分我慢できる範囲のはずです。

もし、患者さんがここで苦しそうであれば、それはS/Cが過伸展してしまっているか、SFが横隔膜をつつき上げる方向におしているのです。その場合、15cm以上のプッシュになっていて、術者は右手に感じる感覚でも異常を察知しているはずです。

 

このバリアンスをできるだけ少なくする工夫としては、右側臥位、左下腹部の圧迫、臍部の圧迫、内視鏡に硬度可変機能があれば硬くする、などの選択肢があります。

 

*尚、実際の私(doctor)の挿入では、SFまで到達した時に、すぐにはプッシュしないでルーメンを掻き分けてT/Cのルーメンを一度確認するようにしています。T/Cのルーメンの形を確認して、現在地が確実にSF頂部であることを認識する目的です。
大腸の形状がシンプルな症例では必ずしも必要ではありません。
「現在の先端部の位置認識」「バリアンスに対するヘッジ」は大腸内視鏡の上級者になればなるほど大切にする傾向があります。

 

我思う、

scope headSFを越えて横行結腸に入ったのを確認したら、

それまでの挿入で、Sが短く押してものびない人と判断していればそのまま、Sがのびそうな男性は仰臥位、Sがのびそうな女性は右側臥位を原則とし、mid t/cを深吸気と共に目指します。

 

体位変換は、スタッフの手も必要だし、時間のロスになるし、めんどくさくて好きでありません。

しかし、師のM先生の言葉、「女性には敬意を表して仰臥位」に感銘を受け(?)、以後、体位変換

を怠らなくなりました。やはり不快度数は減りますね、このほうが。

 

Sedationなしの場合は体位変換は必須です。