いざ、大腸内視鏡検査を受けることになりました。
いったい、大腸内視鏡の専門家は何を考えてこの検査をやってくれるのか?
そんな素朴な疑問にお答えします。
私は、患者さんにとっての大腸内視鏡検査は、基本的に以下の検査の理由の3段階のうちどれかとして「位置づけ」ています。
①いわゆるスクリーニング
軽い症状(腹痛、腹満、下痢、便秘、排便時出血etc.)、癌家系なので心配、検診で便潜血陽性などがそれにあたると思います。
病気が見つかるよりも、病気でないことがわかることが多いです。
安心のための検査です。
どうぞ安心して検査を受けにいきましょう。
②疾患を念頭においた検査
貧血や下血などの症状があり原因検索、注腸(バリウム検査)でポリープがあるといわれた、それなりに続く症状があり特定の疾患を念頭に置いてその発見/除外/確認のため検査などがそれにあたると思います。
病気が見つかることもありますが、(やみくもに薬を出したりするよりも)的確な治療へと結びつきます。
後悔しないための検査です。
不安な気持ちで過ごすよりも、先々に後悔するよりも、思い切って検査を受けにいきましょう。
きっと、納得のいく結果が得られると思います。
③診断と治療目的
例えばCTで上行結腸癌が発見され、治療の一環として、手術前検査の一つとしての検査もここに入ると思います。
しかし、多くは実際にポリープがあったりした場合、これをとるための大腸内視鏡です。検査というよりも処置・手術といったほうが適当かもしれません。(内視鏡的手術、いわゆるポリペクです。)
ここで注意していただきたいのは、必ずしも「ポリープの切除⇒ポリープがなくなって一件落着」ではないことです。
切除したポリープは病理医という、顕微鏡でこういったものを診る専門家にまわされます。
そこで最終診断(確定診断)が出ます。
良性でないという結果がでることもあります。
しかし、ご安心を。
多くのものは粘膜内癌で、いわゆる早期癌です。
その後の適切なfollow upを受けることにより、そのせいで命を落とすことはありません。
唯一残念なことは、外資系生命保険会社のがん保険の多くは、粘膜内癌を「癌」とは認めていませんので、「ガンと診断された時の一時給与金」はもらえません。
結果によっては、追加の処置、開腹(or腹腔鏡)手術が必要な場合もあります。
やはり、ご安心を。
その後の適切な手術を受けることにより、他の臓器への転移や再発等の可能性は極めて低いのが現状です。そのせいで命を落とすこともほとんどありません。
ポリープ切除後も、きちんと結果を聞いて、あなたの担当医と「今後」についてよく相談しましょう。