当直中のできごとのお話です.
僕は外科(消化器外科,特に大腸)が専門ですが,当直をしているといろいろな患者さんを診ます.
外科ということで,整形外科系の方も多く診ます.
今まで,整形疾患について,きちんとトレーニングをつんだことはありません.
何か気になると,その時or後日(常勤の)整形外科のDrに聞いて学んでという感じでやってきました.
もちろん,当直の時間帯ですので,確実な診断(確定診断)をすることよりも,的確な診断(的確な処置)が大事と思っています.
シップや注射や薬で対処し,翌日の専門外来まで様子を見ていいのか?
入院加療が必要か?
すぐに処置できるような,高次の施設に転送が必要か?
などなどです.
こんな感じでやってきましたが,今まで特に(誤診等で)困ったことはありませんでした.
(もしかすると,翌日の常勤のDrがうまくfollowしているからなのかもしれませんが,そのような時はたいてい後日教えてもらえますので,今まではないと思っています.)
骨折を見逃さないか?など,常に心配しています.その心配こそが,慎重な判断(診断)に結びつくのでしょう・・・
しかし,不思議や不思議,「骨折」はたいていの場合(手足以外は),レントゲンをする以前に,わかります.
きっと,患者さんも,医者に来る前に,もうすでにわかっていることが多いのだと思います.
つまり,骨折は,それほどまでに,「異常な状態」,「普段とは異なりすぎる状態」なのだと思います.
ところが,
足は外転(外側にむいていること)し,動かせず,痛みも強く,今まで見たことはありませんが,「これは骨折だ!!」と直感しました.
その当直先の病院は救急病院ではなく,夜間のレントゲンは撮れないため,いくつかの病院に電話し,ようやく,転送を受け入れてくれる病院を見つけ紹介状を書いてQQ車で転送.
すると,3時頃に,その病院から,「骨折はありませんので患者さんはお返しします」との連絡があり,患者さんが再び!QQ車で帰ってきました(AM4時頃).
失礼なことに,紹介状の返事もなし!
骨折していません!の伝言のみ.
失礼極まりないですが,僕の誤診ならしょうがない・・・
でも,患者さんはやはり痛がっているし・・・
とりあえず,うちで入院,鎮痛剤投与,翌日レントゲンとって整形外科の先生に診てもらおう,と入院していただきました.
翌日(というかその朝),常勤のDrが患者さんとレントゲンをみて,
「やっぱり折れていますよね.」
他の病院に転送しようとしていたとき,先の患者さんを送り返してきた病院から電話がありました.
朝になり,その病院の整形外科のDrがレントゲンをみてびっくり,
「申し訳ありませんでした.骨折しています.すぐに当院から迎えの車を出します.」とのことでした.
そして,患者さんは,またまた転送となりました.
(その後手術して経過良好だそうです.ヨカッタ,ヨカッタ)
僕の感想.
まず,ひどい病院だ!と思いましたが,
最初に患者さんをみて送り返してきたDrは,紹介状の返事も書かないし,所詮,その程度のDrなんだろうけど,
・当直中のレントゲンを,翌日に専門のDrが再checkしてくれたこと,そういうシステムがその病院にあること,
・そして,すぐに電話をしてきてくれた整形外科のDr
この2つに,救われた気がしました.
(自分としては,自分の診断に自信を持って,明け方に患者さんがでもどってきた時に,再度他の病院をあたったほうがよかったのかと,反省しました.)
大腸内視鏡医コロノ助,一般外科医としても,日々精進したいと思います.
ひきつづき、応援よろしくお願いします。