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今日は、大腸内視鏡検査に関係する下剤についてのお話をしたいと思います。

現在日本で大腸内視鏡検査で使われている下剤というのは主だったものとして、マグコロール、ニフレック、モビプレップ、ビジクリア錠剤というものがあります。
これは当日検査の前に飲む1.8リットルないし2リットルの大きいものです。

その前日とかに、ラキソベルンだったり、プルゼリルだったり、錠剤だったり液体での下剤を飲むというパターンが多いです。

そして当日飲む下剤というのは、ほとんどが検査の4時間ないし5時間ぐらい前から飲むというのが、それぞれの下剤を作っている会社の指導なのですが、
ここに若干クリニックごとに独自のやりかたが入ってきます。

例えば高齢の方はたくさん飲むのはきついので1時間はやめるとか、
便秘の方はもっと飲む必要があるから1時間早めるといった「さじ加減」です。

ですから、下剤は必ずしもすべての施設で同じというわけではありません。

ニフレックという下剤が一番使われていると感じておりますが、昔は本当に生ぬるい塩味でした。
これが今、ポカリスエット風の味になって、大分飲みやすくなってきています。

臭いや味がどうしても辛いという人用に2〜3年前からビジクリアという錠剤が出ているのですね。
これは比較的大きい錠剤を合計50錠ぐらいを2時間で飲むものです。
飲みこむための液体は水で良いので、味にこだわる人、下剤の味が苦手な人にはおすすめなのではないかなと思います。

最近、一番新しいのはモビプレップというのがあります。飲む量が少なくてすむという特徴があります。
ただ、ある程度はボリュームで便を流さないといけないので、量を頑張って飲んでいただく必要があるのです。

それでも、どうしても飲めないという人がおりますが、実際90歳の方でも下剤を飲むことができているので、
基本的には誰でも飲むものですし、検査の必要があれば飲むしかありません。

飲まないで検査を行っても、視野が悪いとまず検査をするのが危険です。

また病気があっても見つけることができず、せっかく時間をとって検査をしても見つからなければ意味がありません。

ですからしっかり飲んでいただくのが良いと思います。

また、検査は、寒い時期よりは春や夏といった暖かい時期の方が下剤を飲みやすいと思います。

注意点として、多くの施設がせいぜいひとつの下剤しか使っていないことが多いということです。
大腸内視鏡の専門施設であればいくつかのレパートリーを出せる可能性が高いです。

メインはこれであるが、味が嫌な人には別のモビプレップがあるという風に患者さんの好みなどに合わせられるようにしているのです。

この「用意してくれる下剤」というのが「クリニックのサービスレベルを図る・慣れている」ということを見るのに使えると思います。

あとはクリニックによって、前日〜三日前など早い時期から下剤を飲むといったことがあります。
検査の前日ないし前々日に検査食という便秘になりにくい食事をすすめているという場合もあります。

便秘の方、3日1回以下の方は自分から検査の申し込み時に便秘がちであることを告げて「私は便秘がちで普段こういった薬を飲んでいるのだけど、どうすればよいですか」といった薬の名前を提示して相談するようにしてください。

 おなかを空っぽにしてきれいな視野になっていないと検査を無痛で出来ません。

無痛でできない上に、病気があったときに見つからないということになってしまいかねません。そのあたりをしっかり考えていただけると検査を受ける方・医師双方にとってとても有益だと思います。

 以上、あなたの心と身体の健康管理にお役立て頂ければ、たいへん嬉しく思います。