喫煙が原因となる悪性腫瘍のリストに新たに大腸(結腸直腸)癌(がん)が加わったことが、医学誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention(癌疫学、バイオマーカー&予防)」12月号(たばこ特集号)で報告された。これで喫煙に関連する癌の種類は17となる。また、同誌に掲載された別の研究では、受動喫煙によって女性の乳癌リスクおよび小児の生涯の肺癌リスクが増大することが示された。いずれの知見も明るい話ではないが、たばこの規制に取り組む上では有用なものだと専門家は述べている。

第1の研究では、長期的な喫煙により大腸癌の発症リスクが増大することが判明した。これを受けて国際癌研究機関(IARC)は両者の関連を示すエビデンス(科学的根拠)について、これまでの「限定されている(limited)」から「十分にある(sufficient)」へと見解を変更した。研究著者である米国癌協会(ACS)のMichael Thun博士によると、喫煙と大腸癌との関連は他の癌ほど強くないため、関連性を把握するには長い時間を要したという。スクリーニングを受けない、肥満、運動、赤身肉や加工肉の多量摂取など、喫煙以外の大腸癌の危険因子(リスクファクター)について調整後もなお、喫煙によるわずかなリスク増大が認められた。

今回の大規模前向き試験では、約20万人を13年間にわたり追跡。その結果、喫煙経験のない人に比べて、現喫煙者は大腸癌リスクが27%高く、元喫煙者は23%高いことが判明した。中でも喫煙期間が50年以上に及ぶ人は、喫煙経験のない人よりもリスクが38%高かった。一方、40歳前にたばこを止めた人、31年以上喫煙していない人にはリスクの増大は認められなかった。

別の2件の研究は、受動喫煙のリスクに焦点を当てたもの。その1つは米国立癌研究所(NCI)をはじめとする複数施設の研究グループによるもので、受動喫煙にさらされた小児は成人後の肺癌発症リスクが2倍であり、MBL2遺伝子に特異的な変異をもつ場合、リスクは2.5倍にもなることがわかった。カリフォルニアのグループによるもう1つの研究では、喫煙しない成人女性が受動喫煙に長期間曝露すると、閉経後の乳癌発症リスクが増大することが判明。軽度の曝露では17%、中程度で19%、長期にわたる高度の曝露では26%のリスク増大が認められた。

さらに別の研究では、頭頸部癌の診断後も喫煙や飲酒を続けている人は、禁酒禁煙した人よりも予後が悪いことが米エール大学(コネティカット州)の研究グループにより明らかにされた。過去の研究では、診断前の喫煙および飲酒により頭頸部癌の死亡リスクが高くなることが示されている。

Smoking Exposure Now Linked to Colon, Breast Cancers