医学誌「Clinical Gastroenterology and Hepatology(臨床消化器病・肝臓病学)」11月号より
早朝に大腸内視鏡検査を行うと、遅い時間に行うよりも多くのポリープが検出され、時間が遅くなるほどポリープの検出数が減少することが、新しい研究で示された。ポリープの切除は、大腸(直腸結腸)癌(がん)のリスクを60~90%低減すると考えられている。
米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)/退役軍人局(VA)転帰(アウトカム)研究・教育センター所長のBrennan M.R. Spiegel博士らは、1年間に退役軍人病院で大腸内視鏡検査を受けた477例のデータを分析。午前8時半以前に開始した大腸内視鏡検査で検出されたポリープは、それ以降に開始した場合に比べて27%多かった。
同氏らによれば、早朝に検出率が向上するのは、前夜に行ったの腸の前処置の改善による可能性があるという。また、遅い時間になるほど検出率が低下することについては、医師の疲労が一因であるとも考えられるという。Spiegel氏は「内視鏡検査の時間枠を設定するか、別の種類の調整が有用である可能性がある」と述べている。
ただし、同氏は、どの時間帯であれ大腸内視鏡検査は大腸癌の有効なスクリーニング方法であることを強調し、「予約時間がもたらす影響はごくわずかである。患者は時間に関わらず大腸内視鏡検査が有用であることを確信し、予約時間よりも医師の質や経験を重視すべきである」と述べている。
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