いつも先生のブログを拝見させていただいております。
私は東北地方の病院にて研修している医師4年目の消化器内科医です。当初はキャップなしでやっておりましたが、最近はキャップ使用してやっております。計600症例くらい経験し、到達まで平均して7-9分です。
盲腸到達時間に波があり、時間がかかるときは、患者様にも痛みがでるケースが多いです。特に以下のパターンの症例において時間がかかってしまします。そのようなときに、如何に対処したらよいか悩んでおります。
Rs越える際に腸の固定悪いとき→つまり屈曲部にて次のルーメンを画面右にもっていこうとファイバーをまわし、右にもっていっていったら屈曲部にファイバーひっかかる位置まで進め、ひっかけてファイバーを右ひねりにして次のルーメンを展開しようとします。
しかし、右ひねりした瞬間に、ひっかけようとした屈曲部がツルッ回転しまい、結局ひっかからず、次のルーメンを展開できないときです。結局プッシュしてしまうことが多いです(圧迫・体位変換でうまくひっかけれることもたまにありますが)。
プッシュしてαループになってくれれば、助かるのですが、そうでなければ、そこから先が軸保持短縮法γにもっていくことが困難になることが多いです→このような固定の悪いRsこえるときにはどうしたらよいのでしょうか?
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メールありがとうございます。
私はH10年卒のDrで、医師4年目で600例ほどでした。
そのことは時間の計測はしておらず、入れ替えとか含めて、30分で一人レベルだったので、先生の今の状態はすばらしいと思います。
Rsがへそより頭側にあるような人いますね。私もはまるのはこういう人が多いです。しかし、大腸内視鏡(大腸カメラ)を行うにあたって、最も重要なポイントの一つがRsです。
ここの説明は、東大医学博士による胃腸科肛門科の最新医療ブログ「医師のための内視鏡専門講座」
がすばらしい説明をしていますので、拝借させて頂きます。
肛門から挿入してから左方向にひねって進み、右方向への転換点を探すというルーチンなのですが、腸が過長な症例では、なかなか右展開できる場面が見つかりづらいことがあります。
実は、この「見つかりづらい」には2種類あります。
1、左ひねりで進む長さが長くて、進んでもなかなか右方向へ展開していくべき場面が訪れない
腸が過長なことが原因ですが、右展開すべきポイントを見極めることができれば、時には左右アングルを使って丁寧に行うことで、比較的容易に右方向への展開に入れます。
こういった症例では、S/C topまで来たときに「右ひねりしても先端が届かない」という現象が頻発です。
仰臥位で適切な場所への腹部圧迫が必要になることが多いです。
2、右展開すべき場面が訪れているが、右方向にルーメンを位置させると逃げられてしまう
S/C~Rsの腸間膜非固定部分が多いことが原因です。
右展開するポイント(ルーメンは右に見えている)に来て左右のアングルに指をかけようとした瞬間にルーメンが上下のどちらかにクルッと回転して逃げます。
もう一度右方向にルーメンをもってくるようにして、左右アングルに指をかけ・・・・(たら、またもう逃げています!! クルッ)。
・・・・実にもどかしい(腸との)攻防が続くことになるのですが、ここで我慢が必要です。
大腸内視鏡検査のスキルがある医師が挿入長16-20cm程度で、しばし悩み戸惑っているように見える場面は、大概はこの場面です。
ここで「我慢強く」右展開する腸管を見定めなければなりません。
ここで我慢しきれなくて、右展開できなければ、必然的にループを作ることになりますので、患者さんに苦痛を与えることになるかどうかは運を天に任せることになってしまいます。
もし大腸内視鏡が内視鏡挿入の速度を競う「競走」であったなら、ここはプッシュでループを作って、後で直線化&ループ解除すれば良いでしょう.
逆に、ここで誰よりも粘り強く右展開できた医師は、後で患者さんに「今までで一番楽に検査してもらえた」と、喜ばれること請け合いです。(患者さんが初めて検査を受けた場合なら、「こんなものか」で終わりですが・・・)
また、空気を入れているとどうしても少しずつでも時間の経過とともに腸が膨らみ伸びるので、空気の変わりに水がいいと思います。