陽性反応的中度(positive predictive value: PPV)は対象となる集団の有病率によって異なるので、「一般的な大腸癌検診において」で考えて見ます・・・。
2003年度の老人保健事業報告によると、無症状健康な40歳以上の方での2回法(2回便をとって調べる方法)では、受診者640万3659人中、要精検率7.3%で大腸癌は1万598例(0.17%)みつかっています。
すなわち陽性反応的中度は2.3%(←1万598人/640万3659人)です。
しかし、要精査となっても精検を受けない人(あるいは精検結果の回収漏れ)が40%以上と、大腸癌検診では他のがん検診より非常に高く、上記の計算ではその40%の中に含まれる癌の数が考慮されておらず(分子の過小評価)、PPVが低く見積もられている可能性があります。
そこで、実際に精検を受けてかつ結果が回収できた人26万4746人を分母に考えると、陽性反応的中度は4.0%(←1万598人/26万4746人)です。
つまり、便潜血陽性で精検のために受診した人の中には4%の癌がいると解釈できます。
また、癌の疑いが1%、異常なしは40%であるので、つまり、55%(←100-4-1-40)は何らかの異常所見があると推定されます。おそらくポリープが最たるものと思われます。
便潜血陽性で精検のために受診した人の40%に大腸ポリープ(腺腫は30%)がみつかったという平成15年度の日本消化器集団検診学会の集計もあります(日本消化器集団検診学会誌44:29,2006)。
便潜血陽性のときは、4%で癌、癌がなくても半数以上の人はポリープ等の何かがあります。便潜血陽性のときは、大腸内視鏡を受けましょう。
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陽性反応的中度(%)とは,検診で要精査(ただし,精査未受診を除く)となった人のうち,真に病気である人の割合のことをいうのではなかったでしょうか.お確かめ下さい.
仏の塾長、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、陽性反応的中度とは
「検診で要精査(精査未受診を除く)となった人のうち、真に病気である人の割合」です。
よって、「実際に精検を受けてかつ結果が回収できた人26万4746人を分母に考え陽性反応的中度は4.0%」です。
しかし、この分母の母集団が「くせもの」で、「ある病院に通っている人々」や「年齢」「性別」ほかにも「糖尿病の人」などなどでPPVは変わってきてしまいます。
そこで、「一般的な大腸癌検診」=「無症状健康な40歳以上の方での2回法」と限定させて頂きました。