患者さんからのQ&Aです。

Q

 はじめまして。いつも楽しく(?)拝見させていただいております。
 私の大腸の内視鏡検査体験の関係で、ひとつお聞きしたいことがあります。

 私も検査の途中、痛たくて痛くて、検査を中断したことがあります。そのときの先生は、「そんなに痛がっているのに無理にやると腸壁がやぶれちゃうかもしれないから、無理にはやらない」とおっしゃっておりました。

 一方、そのあとで別の病院で大腸検査を受ける機会があり、そのときも案の定痛くて、「痛い、痛い」と泣き叫びましたが、そのときの先生は「病気か否かはっきりさせないといつまでも悩むから」といって、泣き叫びつつも検査続行。とりあえず腸はやぶけなかったようですが。

 お聞きしたいのは、腸の内視鏡検査を受けるとき、私は検査痛がひどいので「痛がったら途中でやめてください」と、もし仮に先生にお願いしたら、先生はどう思うものなのでしょうか

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A

「以前の大腸内視鏡検査が痛かった・・・」
大腸内視鏡を専門にやっていて、よく聞く言葉です。私個人はそのように言われても全く不快に思ったりはしません。そのような方に無痛で快適、安全で正確に大腸内視鏡検査を施行することに、むしろ燃えてしまうかもしれません。しかし、必ずしもそういう方全員に「無痛」を提供できるとは言い切れませんのでご安心下さい、無理はしません。

「痛くないように行いますが、もし痛い時は遠慮なくおっしゃって下さい。その時点で検査を終えるか否か、相談しましょう。それとも、一言でも痛いといったらその時点で終了でも結構です。」が基本的なスタンス(方針)です。

あとはcase by caseです。たいていは以下の要因などより判断させて頂きます。

まず、今回の検査理由(検診か、症状があっての検査か、ポリープをとるためか云々)。

 

次に、あなた個人のfactorとして、年齢、性別、開腹手術の既往暦。今までの検査施設、検査医について(年齢・経験・名前?)、検査の所要時間、鎮痛剤の使用有無などです。

 

さらに、大変申し上げにくいことですが、患者さんの「痛い」にもいろいろあるように思います。

・癒着がひどかったり、腸が伸びたりして「痛い」。

・空気が入って腸が膨らむ感覚が不快ではなく「痛い」。

・どんなにきれいに挿入できていれも内視鏡が入っていることそのものが「痛い」。

・内視鏡を動かしていなくても「痛い」。

・過去の検査のトラウマや不安からくる恐怖心による「痛い」。

・鎮痛剤により自己の抑制がとれてしまって興奮気味の「痛い」。

・パニックって「痛い」。

・とにかく「痛い」。

 

上記より判断して、場合によっては「痛い!」といわれても検査を遂行することもあります。しかし、自分の今までの経験上(そして他の大腸内視鏡医もそうだと思いますが)、「これ以上やると危ない(穿孔の危険を感じる)」時は、どのような理由であれ、それ以上の挿入は行わず、検査はやめます。


もしかしたら、あなたは私が過去に大腸内視鏡をした人かもしれません。だとすれば、己の技術を反省し、日々精進するのみです。
もしかしたら、あなたは私の未来の患者さんになる人かもしれません。
だとすれば、あなたがこられた時に、「過去の大腸内視鏡は痛かったが、先生にやってもらったらラクだった!」と言ってもらえることを目標に日々精進あるのみと感じました。