今回、は大腸内視鏡検査に用いる痛み止め、いわゆる麻酔についてのお話です。

一般の方は麻酔と言いますが、これは私たちの正式な用語で鎮痛剤つまり痛みを鎮める薬と、鎮痙剤つまり腸の痙攣を鎮める薬の2種類からなります。

大学病院以外、多くのクリニックや商業的施設では、この薬を使っているところがほとんどで、アメリカなどでは100%使っています。日本でもこの10年くらいの間にどんどん使うところが増えて、半分くらいが使っているという認識です。とくに不安感が強い人、また以前この検査を受けて辛かった人は、やはり痛み止め、鎮痛剤を使うといいと思います。

鎮痛剤の種類にはいろいろありますが、それぞれの名前はここでは言いません。というのは、それぞれの施設においてルーチンで使っている薬がありまして、ルーチンで使っているものであれば、これくらいの緊張、これくらいの体格と患者さんをみて、この人には少し増やそうとか減らそうとかのさじ加減が上手にできていると思うので、あなたがそこで妙なこだわりをもって「この薬でなきゃイヤだ」というのは、あまり賢いとはいえないと思うからです。薬に対するアレルギーがある場合以外は、ルーチンで使っている薬がいいと思います。

 ただし「鎮痛剤なしでもできますか?」と聞いてみて、「ご希望があればできますよ」と答えてくれるドクターは、それなりに技術に自信がある上手なドクターではないかと思います。

私は鎮痛剤なしでと言われれば、ふつうになしでやりますが、ただその時にも、腸の動きを止める鎮痙剤、ブスコパンとかグルカゴンとかはお願いして使わせてもらっています。というのは、腸というのは何かものが入ってくるとビックリして収縮してしまうんですね。そうするとカメラが入りにくくなってしまうので、鎮痙剤は使うところが多いのです。

ただしこれを使うと目がしょぼしょぼしてしまうので、当日の車の運転、自転車の運転はできません。もちろん鎮痛剤も、ぼーっとしてしまうのでできません。何か注射をしてから検査をする場合はくれぐれも、当日の自動車、自転車の運転はできないと心得て、電車や徒歩でクリニックや病院に検査、受診するようにして下さい。

繰り返しになりますけれども、鎮痛剤なしでもやってくれる上手な先生を探すのが、まずはベストだと思います。どういう薬を使っているかは一般の方は知る必要はないですが、痛み止めの注射はやっていますか、と聞けばたいていの施設は答えてくれますから、問い合わせの段階で尋ねてみるのもよいでしょう。いっさい使っていません、というところで受けるのも、一つの選択かもしれません。使っていなくても評判の良い施設はそれなりにいいと思います。

大腸内視鏡検査を受ける前に、痛み止めの注射をどうしたいか、クリニックを受診する前に少し考えてみて下さい。