今回は大腸内視鏡が前回、激痛だった、もしくは挿入できませんでした、という人に対してのお話です。

  私自身、大腸内視鏡をやって10年以上経ちます。最初の頃は時間がかかって挿入できなくて、上司に代わってもらった症例もありますが、最近は99.9%挿入しています。今は武蔵浦和メディカルセンターで毎週月曜日に、とくに前に激痛だった、前に入らなかった患者さんを専門に診させて頂いています。

 そうやっていて感じるのは、前に挿入不可だった、もしくは激痛だったというケースの9割は、医者の方の問題で、あなたの腸に問題があるわけではない、ということです。残りの1割は何なのかというと、患者さんサイドの精神状況と、医者と患者の相性の問題なのではないかな、と思います。もしかすると、8割・2割くらいかもしれないですれども。

 たとえば検査室に入ってきた時から顔がこわばっている方がいます。私の方はなるべく、「おはようございます」とか「こんにちは」と明るく親しみやすいように声をかけるのですが、顔がひきつってそれも聞こえていないよう方は、注射をして痛みを取ろうと思っても効きが悪かったり、お腹にすごい力が入っってしまってカメラがなかなか進まなかったりということがあります。

 ただ、これはやはり1割か、せいぜい2割くらいじゃないかな、と思います。あとは医者と患者、やはり人間と人間ですから相性というのがあります。もちろん多くの患者さんと相性の悪い医者もいるし、多くの患者さんと相性のいい医者もいますが、100%誰とでもあう医者というのはいないですから、人間同士の関係であまりうまくいかない場合もあるかもしれません。

 ともかく9割は医者の技術の問題だと思います。私自身、埼玉の武蔵浦和で前にうまくいかなかったという患者さんを診ていてふつうに2,3分で入りますから。皆さん、驚いて帰って行かれます。大丈夫、入ります。

 よく、開腹手術の既往があって、「癒着のせいですね」、「私は癒着があるから」と自分から言う方がいます。聞いてみるとネットで見てそういう恐怖心をもっているとか、もしくは前に検査した主治医から「癒着のせいですね」と言われて、自分のせいだと思って諦めてしまっているようです。

 そういう方はたくさん来ますが、いや、そんなことはありません。実際に癒着があっても毎日ウンチが出ているわけですから腸は通っているのです。癒着で腸閉塞、イレウスになってしまう場合は問題ですが、そうでなければ内視鏡は入るんです。

 私自身、若かりし頃は入らない患者さんに「癒着のせいですね」と言っていましたし、上司もよくそう言っていました。今ではそれは自分の技術不足のせいだったと思います。実際にここ3年くらいで考えてみても癒着のせいで入らないという方はほとんどいません。

 ですから前回挿入不可だった、激痛だったという方は、上手なドクターを選んだ方がいいと思います。武蔵浦和に来られるのであれば、ぜひいらして下さい。都内でも大腸内視鏡のマニアの先生で、専門にやってくれるところはあると思います。

前回うまくいかなかったのは、あなたのせいではないし癒着のせいでもないので、是非、諦めずにいい医者、いい施設を探して頂きたいと思います。