くどいようですが、大腸内視鏡検査において私の知る限りは、「麻酔」はどこでもしていません。使っているのは「鎮痛剤」です。
あなたがsedation(鎮痛剤・鎮静剤)を希望するか否か以上に、その施設がsedation(鎮痛剤・鎮静剤)を使用してくれるのか否かが大切な要因の一つです。
患者さんの個々の希望に応じられる施設・医師が理想的ですが、その施設のハード面やソフト面、医師のスタンス(信念と経験)などによる制約が多いのが実際です。
設備に関して、
鎮痛剤を使用する場合は、検査後30-60分ほどはフラフラしますので、いわゆる回復室(ベッドorソファー)が必要です。
回復室なしでも鎮痛剤を使用している施設もありますが、あまり感心しません。
ある程度、大きな施設か内視鏡に力を入れている施設の方がこの条件は満たしているでしょう。
医師やナースなどの人数、時間当たりにこなしたい患者数なども影響します。
一般的に、鎮痛剤を使用しないほうが患者さんの入れ替えは早いです。単純計算では同じ時間内により多くの検査をこなせますし、人件費も抑えられます。
医師のスタンス(信念と経験)に関して、
これはその医師が今までどうしてきたか、どのようにやってきたかによります。
融通の利かない医師は多いですので、期待しない方がいいです。
以上、鎮痛剤の使用有無に関しては、それぞれの施設の「お約束」「流儀」的な面があります。
また、医師は頑固が多いですから、あなたのリクエストどおりにやってほしいということにエネルギーを使うよりは、あなた自身があなたの希望をかなえてくれる施設/医師をまずは探すことが大切です。
あなたが調べて選んでという時代だと思います。
実際の鎮痛剤使用の有無は、まずは自分で考えて下さい。
しかし最終的には、あなたの信頼できる担当医とよく相談して決定をお願いします。
(大腸内視鏡の後にも大切な仕事や用事があるようならば鎮痛剤の使用は勧めません。)
私個人的には、
・鎮痛剤の使用に関しては、鎮痛剤を使用できる施設で、使用不要という患者さんには、希望に応じています。
・しかし、初めて大腸内視鏡を受ける人で、見るからに緊張していることがわかれば、再度使用をお勧めします。
・痛みの感覚は個人個人違うので、どの程度を痛いというのかは個人差がかなりあります。
・また、おなかに空気が入ってはってくる「不快感」を痛みという人もいます。
・以前、同級生の胸部外科医やいつも検査についてくれる検査技師さんを、ご希望により鎮痛剤なしで大腸内視鏡をしましたが、共に痛みなく満足のようでした。
やはり、鎮痛剤よりも大切なのは、医師と患者の信頼関係だと思っています。
・大切なのは、鎮痛剤ありでもなしでも、患者さんそれぞれの要望に応えられる技術と思います。
うーんやっぱりためになるブログですねえ。。
見習わないといかんです。。。
>大腸内視鏡検査において私の知る限りは、「麻酔」はどこでもしていません。
これはかなり語弊があると思います。
ドルミカムやプロポフォールは立派な麻酔薬だと思いますがいかがでしょうか。ドルミカムはの適応には
1.麻酔前投薬 2.全身麻酔の導入及び維持
があります。
ベンゾジアゼピンということを考えるとジアゼパム(セルシン)も同様だと思います。
オピスタンなどの鎮痛薬もまさに心臓麻酔などで使われる薬だと思います。
薬は同じだけど麻酔ではないという意味なのでしょうか。
CF初心者先生、ご来訪andコメントありがとうございます。
先生のご意見、ごもっともです。
しかし、
言葉の定義は様々であり、一般の方の定義(いわゆる俗称)から専門家の定義まで、いろいろな解釈があると思います。
私の(ブログ上での)解釈は、
鎮痛剤とは、痛みを和らげたり取り除いたりする薬品の総称。非常に幅広い種類の薬品に対して用いられる。鎮痛剤は、中枢神経系・末梢神経に様々な効用をもたらす。鎮痛剤の種類は多種多様である(NSAIDから麻薬から三環系抗うつ剤も含む)。
麻酔とは、薬物などによって人為的に疼痛をはじめとする感覚をなくすことである。これにより、手術を受けることができ、また、耐え難い苦痛を取り除くことができる。
です。
また経験上、麻酔というよりも鎮痛剤というほうが、患者さんの受け入れがいい印象があります。
如何?